アルトコインの取引が非常に活発になっています。世界的に値動きが激しく投機や投資にも利用されつつある現状で、どのようにして安全な取引所を選ぶかは重要なポイントです。最低限確認すべき点をまとめてみましょう。
金融庁によって登録されている事業者かどうか
日本では2017年4月に法律が施行され、仮想通貨も支払い決済の手段として正式に認められることになりました。晴れて合法となった事を受け、金融庁は不正な取引を阻止すべく、取引所を仮想通貨交換事業者として登録することを義務付けました。登録を受けるためには、取引所は財産的要件や顧客資産の管理体制など、さまざまな基準をクリアしなければなりません。こうした管理体制をすべて整備し、金融庁の登録を受けた業者であれば、少なくとも最初のハードルはクリアしている業者となります。2017年9月には11社の取引所が登録を完了、今後も事業者は増加が予想されます。
顧客資産分別管理を確実に行っているか
金融庁が登録を認める条件の中に、顧客資産分別管理というものがあります。これは、仮想通貨交換事業者が、顧客資産と自社資産とを明確に分けて管理するという義務要件のこと。事業者の手元には毎日たくさんの顧客からたくさんの仮想通貨が集まって来ますから、それを自社資産と完全に分別することが必須。事業者は毎営業日ごとに分別管理を行う義務を持っていて、仮に事業者側が倒産しても顧客の資産は保全される仕組みになっています。これに紐づいて、多くの事業者は預かった資産をインターネットに接続していないウォレットに保管することで管理しています。これに対して常にインターネットに接続しているウォレットで運用している業者もあります。ハッキングのリスクはありますが、こちらはスピーディーな引き出しを可能にする運用法です。
複数の秘密鍵を必要とする取引をしているか
アルトコインの取引を成立させる条件として、公開鍵と秘密鍵の1:1のマッチングが行われるのが一般的です。これを1:1ではなく、公開鍵1:複数の秘密鍵を必要とする取引がマルチシグという仕組みです。ある事案を実行するのに複数の権限者を必要とするため、承認が厳しくなっていると考えれば良いでしょう。仮想通貨の移動に複数の責任者が権限を持つことで、高いセキュリティーを実現するシステムです。過去に数度内部の単独犯が仮想通貨を持ち逃げする事件が起こったため、その抑止力としてこのような仕組みが出来ています。健全な取引所の多くはこのマルチシグを採用していますので、信頼性を見極めるポイントとなるでしょう。
まとめ
アルトコインの取引所を選ぶ場合は、まず金融庁の登録を受けた仮想通貨交換事業者か確認しましょう。実際に健全な業者を見極めるのは難しいですが、顧客の資産分別、コインの保管方法、取引承認数などもチェック出来れば確実でしょう。